INTPにこの世はかなり難しい

なんとか人間やってます

国民年金保険料の追納が終わった話

老後にもらえるか分からない国民年金の保険料を、先日ついに追納し終わった。

参考になるかは分からないが、保険料の追納を検討している人向けに、自分なりに調べて学んだこと・手続き等を最低限に減らしてラクするための方法を共有しようと思う。

自分の状況について

2013年に学部を卒業してから修士課程、博士課程と進んだ結果、2021年夏の時点で国民年金の保険料の追納期間が31か月分発生していた。追納期間が半端なのは、途中で大学の助手になったり一般企業に勤めては爆速退社したり、色々あって厚生年金の期間が発生していたからである。厚生年金の期間がなければ、追納期間は72か月分に膨れ上がっていただろう。(完全にモラトリアム型のダメ院生!)

2021年春頃からアカデミアに残らない方向で経済的自立を目指しており、2021年9月から派遣で働き始め、2022年10月までに13か月分、2023年6月までに18か月分の保険料を追納した。自分なりに節約したり買いたい物を我慢するなど努力したのはもちろんのこと、実家暮らしで家賃・光熱費等が一人暮らしの場合ほどかからない、という環境要素も大きかった。

人間として暮らす以上住民税を払わないといけないし、いざという時に備えて貯金もしないといけないし、医療費だって地味にかかるし、その他こまごまと消耗品の購入にも都度支払いが発生するので(新しい歯ブラシとか洗顔料とか)、31か月かけて無理せず追納しようと計画していたのだが、途中からだんだん気が急いてきて、2年くらいで追納を終えてしまった。

追納のタイミング

結論:1月から9月までに、その年に追納したい額を収めるのがベスト。

なぜ1月から9月までの追納がベストかというと、11月に会社が実施する年末調整で控除申請することにより、自力で確定申告せずに済むからだ。1月から9月末までに追納した保険料は、年金事務所が発行する「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」に全て反映されるシステムになっている。11月の年末調整ではこの控除証明書を提出して所得税などを会社に計算してもらうことになるが、10月以降に追納した場合は会社に提出する書類が増える、あるいは自分で確定申告する必要が出てくるのだ。

10月に追納した場合:
11月の年末調整で、「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」に加えて「納付書・領収(納付受託)証書」の原本も会社に提出することになる。コンビニ等で追納した時にレジの人から渡される、納付書の右端のアレである。私は2022年10月に5か月分追納したので、自宅保存用に納付書のコピーを取ったりするのが少し面倒だった。大した手間ではないが、提出書類を最低限に減らしてラクをしたい人、コンビニで納付書をコピーしてファイルに入れて保管して……といった作業が面倒な人は、1月から9月までに追納するのがおすすめだ。でも10月中の追納なら会社の年末調整にギリ間に合うので、金銭的に余裕がある場合は追納しちゃうのも全然アリ。

11月・12月に追納した場合:
会社でやる年末調整の締め切りに間に合わない可能性が出てくるため、自分で確定申告するリスクが上がる。私は自分で確定申告の手続きをしたくなかったので、11月・12月は追納しない前提で予定を組んだ。だって絶対に面倒臭いじゃん……?自力で確定申告できる人は、年末調整の期限など気にせず11月・12月に追納しちゃっていいと思う。だが、自力で確定申告したことがない人、自力で確定申告できるか分からない人には絶対におすすめしない。

追納のペースは各人の収入状況や生活環境に左右されるので一概に言えないが、ひと月あたり2か月分×6回(1年で12か月分)のペースで追納するつもりで動くと、年間の予算スケジュールを組みやすくなると思う。
※年末調整のタイミングと納付書の入手にかかる日数、納付書の有効期限の関係上、1〜3月・5〜9月(あるいは1〜3月・5〜10月)に納付する必要があるため。

申請のタイミングと追納用納付書の有効期限

結論1:年金事務所に電話をして、追納の申請用紙を送ってもらう。
結論2:追納額は申請時点から3月末までに支払い可能な金額に設定する。

年金の追納を申請するには、①年金事務所に直接行って申請用紙に記入・提出する方法と、②年金事務所に電話をして申請用紙を送ってもらい、必要事項を記入して返送する方法、の2パターンがある。

窓口に直接行く場合でも電話をかける場合でも、年金事務所の窓口が空いている時間帯に手続きしなければならないが、平日の昼間に年金事務所まで行って帰ってくるのは億劫であるし、窓口で直接手続きしたとしても納付書が届くのは3週間ほど先である。それなら、電話で申請してラクをしよう。自宅から電話をかけて、自宅のポストまで申請書類を届けてもらおう。なお、申請の際は担当者に「基礎年金番号」を確認されるため、年金手帳や過去の納付書など、自分の基礎年金番号が分かるものを用意しておくと手続きがスムーズになる。

ちなみに、国民年金保険料の追納額は新年度に切り替わるタイミングで(4月1日から)ちょっと値上がりするため、追納専用の納付書は3月31日で有効期限が切れる仕様になっている。追納手続きのタイミングと申請額によっては、納付書を再発行しなくてはならないので要注意だ。例えば、2月に申請手続きをして3月に納付書が届いた場合、3月31日に納付書の有効期限が切れるので、3月31日までに追納できなかった分の保険料は再度追納の申請手続きをして、納付書を再発行してもらわないといけなくなる。

そうすると、また年金事務所に電話をかけて、また申請書が届くのを待って、また申請書に記入・返送して、また納付書が届くのを3週間待って……と色々二度手間になってしまうので、1月~3月に追納したい分の納付書は前年のうちに(例えば、2022年1月~3月に追納したい分の納付書は2021年4月~12月のあいだに)申請・入手しておく必要がある。また、年度またぎの混乱を避けるのであれば、4月以降に追納したい分の納付書は年度が切り替わってから、4月1日以降に申請・入手するスケジュールになるので、年末調整を理由に追納を避ける11月・12月の他に、4月も追納しない月としてカウントすることになる。

年末調整の対象である所得税が1月開始・12月締めで計算されるのに対し、国民年金保険料は4月開始・翌年3月締めで計算されている、という違いを知らないと、せっかく発行してもらった納付書がひと月足らずで無効になるというバグみたいな状況に陥るので、追納の申請時期と追納額は事前によくよく確認されたし。

自分の追納記録

なお、自分の(ややトチ狂った)保険料の追納スケジュールはこんな感じ。

2022年:13か月分追納
1月 0か月分
2月 2か月分
3月 2か月分 
4月 0か月分 →納付書の有効期限が切れたことに気づく
5月 0か月分 →追納の申請手続き(9か月分)
6月 1か月分
7月 1か月分
8月 1か月分
9月 1か月分 →9/30までに追納した分は控除証明書に反映された
10月 5か月分 →控除証明書に反映されないが、年末調整に間に合った
11月 0か月分 →確定申告を避けるため追納せず 
12月 0か月分 →2023年追納予定分の申請手続き

2023年:18か月分追納
1月 8か月分
2月 4か月分
3月 0か月分 →残りの保険料を2023年に追納するか悩んでいた
4月 0か月分 →残りの保険料を2023年に追納するか悩んでいた
5月 0か月分 →追納の申請手続き(6か月分)
6月 6か月分 →満額追納達成

2022年1月の時点で納付書の有効期限と年末調整の存在に気づいていなかったので、1年かけてのんびり追納する気満々だった。10月に5か月分まとめて追納しているのは、11月以降の追納だと自分で確定申告しないといけなくなるかも……と危機感を感じたからだ。

11月は確定申告を避けるため追納しない代わりに、残り18か月分の追納スケジュールを立てていた。この頃から、2023年に追納予定の保険料(12か月分)は1月・2月・3月の3回に分けて全額払ってしまえば、残り4月から12月までめちゃくちゃラクなのでは?と思いはじめ、12月には貯金を切り崩す前提で追納の申請手続きを進め、納付書を入手した。

年が明け、2023年。2月の時点ですでに12か月分の追納が終わっているのは、途中から完全に気が急いていただからである。3月・4月は、2024年に払う予定の保険料(6か月分)を今年中に納付してしまうか、それとも予定通り2024年1〜3月に納付するべきかを悩んでいた。悩みに悩んで、結局「12月にこれ全部思い出して追納のプラン立てるの絶対無理だわ~。12月とか半年以上先じゃん?ハイ絶対無理~」と思い直して5月に追納の申請手続きをした。そして6月、無事に追納が終わった……というわけである。

 

正直な話、国民年金の保険料を追納したところで統一カルトずぶずぶ政権が某宗教団体に横流しするか軍事費にじゃぶじゃぶ注ぎこんじゃって半分も返ってくるか怪しいよな、そもそも年金をもらえるほど長生きするかも分からんぞと疑っているので、使途不明金の財源にされるより海外旅行にでも行って自分のためにパーッと使っちゃう方がずっと気楽でマシなのだが、いつまでも追納、追納と役所にせっつかれるのも鬱陶しいし、マイナンバーカードのどさくさに紛れてまた年金記録を消されたら困るもんな……とも思っている。

そういう意味で、2022年・2023年の保険料追納は「公的機関の発行した紙の書類を証拠として手元に残す」のに良い機会だったかもしれない。サイバー攻撃などなくともシステム不良と人為的ミスで自滅しているような国なので(新潟の公文書紛失とか年金記録問題とかマイナ保険証トラブルとか)、自分の重要記録が政府の管理するデータ上でしか参照できないって、ものすごく危険な運用だと思うんだよね。